投資のすすめ|投資情報編・2026年11月6日の急落
2026年11月6日(金)、日経平均株価は前日比3,643.13円安、5.96%下落の57,434.77円で取引を終えました。
これほど大きく下がると、「今のうちに逃げた方がいいのか」「安く買えるチャンスなのか」と迷います。
ただ、画面が赤くなったときほど、判断を急ぐ前に整理したいことがあります。今回は、何が起きたのかと、私たちが確認したいことを分けて考えます。
まず、実際にどれだけ下がったのか
日経平均の指数算出元である日本経済新聞社のデータは、次のとおりです。[1]
| 項目 | 日経平均株価 |
|---|---|
| 11月5日の終値 | 61,077.90円 |
| 11月6日の始値 | 60,374.35円 |
| 11月6日の安値 | 56,745.81円 |
| 11月6日の終値 | 57,434.77円 |
| 前日終値からの変化 | −3,643.13円(−5.96%) |
前日比と下落率は上記の終値から計算し、率は小数第2位に丸めています。
安値からは戻しましたが、それだけで「底を打った」とは判断できません。戻したという事実と、今後も上がるという予想は別です。
なぜ売られたのか――報道された背景
共同通信や株探は、米中間選挙の結果を受け、AIやデータセンターに関する規制強化への懸念が広がったと報じています。前日の米国株下落が日本にも波及し、AI・半導体関連を中心に売りが広がりました。[2][3]
ここで区別したいのは、「規制による業績への影響が確定した」という話と、「影響を心配した売りが出た」という話です。
今回の報道が伝えているのは、主に後者です。個別企業にどれだけ影響するかは、政策の具体的な内容や企業の開示を確認する必要があります。
以下は私の見方です。成長への期待が株価を支えていた銘柄では、その期待が揺らぐだけでも評価が大きく変わり得ます。ただし、これを「AI需要がなくなった」「関連企業はすべて割安になった」と読み替えるのは早計です。
「前より安い」と「割安」は違う
第1回で紹介した相場格言に、「高値覚え、安値覚え」がありました。
「あのときはもっと高かったから、今はお買い得」
そう思いたくなりますが、過去の株価だけでは、現在の価格が妥当かはわかりません。
利益の見通しが変わったのか。受注や設備投資の計画に変化があるのか。それとも、まだ具体的な変化が確認されていない段階なのか。
株価と一緒に、買う根拠まで変わっていないかを見直したいところです。
暴落した日に、私たちが確認したい3つのこと
1.近いうちに使うお金まで投資していないか
生活費や支払いに必要なお金を投じていると、値下がりを待てずに売る必要が生じます。まず確認したいのは、相場の底より、自分のお金の使い道です。
2.銘柄を分けても、同じテーマに偏っていないか
半導体、データセンター、電力設備。会社は別でも、AI投資という共通の要因に左右される場合があります。
保有銘柄の数だけでなく、「何が起きると一緒に下がりそうか」で眺めると、偏りに気づきやすくなります。
3.短期売買と長期投資の判断を混ぜていないか
短期の値動きを狙って買った銘柄を、下がった途端に「長期保有だから」と言い換えていないでしょうか。
反対に、長期の資産形成として続けている投資を、一日の値動きだけで終わらせようとしていないでしょうか。
投資期間、資金の余裕、買った理由を確認し、続けるのか、減らすのか、いったん見送るのかを考える。答えは、人によって違います。
「休むも相場」は、判断を放棄することではない
買うか、売るか。その二択を今すぐ選ばなくてもよい場面はあります。
企業の発表を読む。資産配分を確認する。自分が耐えられる損失の範囲を見直す。売買をしない時間にも、できることはあります。
11月6日の急落が、反発の入口なのか、下落の途中なのか。現時点で言い切ることはできません。
だからこそ、次の値動きを当てることだけに集中せず、「予想が外れても続けられる投資になっているか」を点検したいと思います。
暴落した日に必要なのは、強気になることでも、弱気になることでもなく、自分の判断の根拠を確かめ直すことではないでしょうか。
あわせて読みたい|複利の基本から学ぶ
日々の値動きと向き合う一方で、長期の資産形成の基本も押さえておきたいところです。複利の仕組みを、米粒が倍増する逸話から紹介した第0回も、ぜひご覧ください。
※2026年11月7日時点で確認した、11月6日の東京市場と報道をもとにした記事です。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、将来の値動きや運用成果を保証するものでもありません。
出典
[1] 日本経済新聞社「ヒストリカルデータ」:https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/statistics
[2] 共同通信「東証急落、終値は3643円安 世界同時株安、AI関連銘柄売り」(2026年11月6日16:57、ライブドアニュース掲載):https://news.livedoor.com/article/detail/32749187/
[3] 株探「東京株式(大引け)=3643円安、AI・半導体が急落し史上3番目の下げ幅」(2026年11月6日16:10):https://s.kabutan.jp/news/n202611061585/


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