2025年新年早々からのビックニュース、『元スマップ中居氏の女性トラブル』を発端とするフジテレビ社員の関与問題。この騒動により通常の投資家心理では”株価は大暴落だ!”と思うのが普通だと思います。が、そこにすかさずメスを入れきたのがフジHDの株式をグループで7%以上保有する米投資ファンドのダルトン・インベストメンツでした。このアクティビストは同社に対し第三者委員会での調査や信頼回復を求める書簡を送付してきました。今回はこのアクティビスト目線で今後の展開などを考察していきたいと思います。
フジ・メディア・ホールディングスの株価動向
フジ・メディア・ホールディングス(フジHD、証券コード4676)の株価は最近、大幅に上昇しています。特に、2025年1月2日には、株価が一時1,849円に達しました。この上昇は、フジテレビの社長会見や株主総会に対する関心が高まったことが要因とされています。
最近の株価上昇にはいくつかの要因があります。まず、フジテレビに関する報道が注目を集め、投資家の間で思惑的な動きが見られました。また、フジHDの株価純資産倍率(PBR)が0.4倍程度と割安感が強いことも、投資家の関心を引く要因となっています。
フジ・メディア・ホールディングスの株価上昇には、アクティビストと言われる物言う投資家の影響も大きいです。これらの投資家は、企業の資産を有効活用することを求めており、経営陣の改革を促す動きが見られます。特に、フジHDは不動産や有価証券を多く保有しており、これらの資産の価値が株価に対する期待感を高めています。現在のPBR(株価純資産倍率)が0.44倍と割安であることから、投資家は将来的な資産価値の回復を見込んで株を購入している状況です。
フジ・メディア・ホールディングス中間決算(2024年11月18日)
業績概要
- 売上高: 2,681億円(前年比 +0.2%)
- 営業利益: 138億円(前年比 +6.6%)
- 経常利益: 176億円(前年比 +15.9%)
- 純利益: 126億円(前年比 +25.4%)
増益の要因:
- メディア・コンテンツ事業の効率的な運営。
- 都市開発・観光事業の好調。
セグメント別動向
- メディア・コンテンツ事業: 売上高は3.3%減少したが、効率化により利益は15.1%増加。
- 都市開発・観光事業: 売上高は13.5%増加。特に新たな水族館の開業とインバウンド需要が貢献。
- その他事業: 売上は増加したが、利益は減少。
上記のとおり、前回決算の数字的には悪くない結果でした。ただ、今後、CMスポンサー離れによる広告収入の激減が見込まれるメディア・コンテンツ事業は赤字になる確率は非常に高いと思います。ただ、アクティビストからすると、テレビ事業よりもむしろ利益率の良い不動産関連事業を伸ばしていったほうが経営効率いいんじゃないの?という考えは少なからずあると思います。
考えられる今後のシナリオ
1.アクティビストや大口投資家の動向
アクティビストや大口投資家の1番のねらいとしては経営陣の刷新です。旧態依然とした現在の経営陣を総入れ替え、あるいは自らが経営者となって魅力あるコンテンツ作りをし、現在の株価純資産倍率(PBR)0.44倍といった割安な数字を改善し企業価値を高めるための施策を実行したいと考えています。
2.株主総会(6月)に向けての株価上昇
ネットでは、『今年の株主総会(6月)はみんなで参加しよう!』といった話題でザワついています。6月の株主総会に出席するためには3月31日の株主名簿に記載されていないといけないので、それまでは投資家の現物買いが入りやすく、株価は上昇しやすいと思います。あと、1月21日時点で信用倍率が0.62というのも株価上昇のポイントだと思います。
まとめ
今後の株価的には短期的な乱高下はあるものの、少なくとも3月末までは上昇傾向であると思います。毎日のウォッチリストに入れておき株価の動向を確認しつつ、アクティビストや大口投資家などの情報を常にキャッチアップしていきたいですね。
※株式投資に関しましては、自己判断・自己責任でお願い申し上げます。
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