佐々木朗希投手は現在23歳で「25歳ルール」の制限下にあり、マイナー契約しか結べない状況ですが、仮に25歳以上でポスティング移籍をしていた場合には、どのような契約金額やロッテ球団への譲渡金になっていた可能性があるのでしょうか。以下では、最近の日本人投手の事例や現行のポスティング制度を踏まえて推測をまとめました。
「25歳ルール」と現在の契約状況
MLBでは、海外出身選手が25歳未満かつプロ経験6年未満の場合、国際ボーナスプールの制限に縛られた契約しか結べません。そのため、佐々木投手のように25歳に満たない場合は基本的に
1. マイナー契約
2. 契約金総額が数百万ドル程度
といった形になり、球団がNPBに支払う譲渡金(リリースフィー)も契約金の25%のみとなります。
今回報道されている650万ドル(約10億1600万円)という契約金額の場合、ロッテには約2億5400万円が支払われると見込まれています。
25歳以上でポスティング移籍する場合の参考事例
- 田中将大投手(当時25歳)
2014年に7年総額1億5500万ドル+ポスティング・フィー2000万ドルでヤンキースと契約 - ダルビッシュ有投手(当時25歳)
2012年に6年総額約6000万ドル+入札金約5170万ドルでレンジャーズと契約 - 千賀滉大投手
2022年オフに海外FAで移籍し、メッツと5年総額7500万ドルで契約(ポスティング・フィーはなし) - 大谷翔平選手(当時23歳)
25歳ルール適用下でポスティング移籍し、わずか数百万ドルの契約金にとどまった
新ポスティング制度の譲渡金(リリースフィー)の計算方法
2017年以降、譲渡金は「契約の保証総額」に応じて以下のように変動します。
- 契約総額が2500万ドル以下の場合:
→ 契約総額の20% - 契約総額が2500万ドル超~5000万ドル以下の場合:
→ 2500万ドル部分に対して20% + 2500万ドル超過分に対して17.5% - 契約総額が5000万ドル超の場合:
→ 2500万ドル部分に対して20% + 2500万ドル~5000万ドル部分に対して17.5% + 5000万ドル超過分に対して15%
25歳以上であった場合の佐々木投手の契約金と譲渡金の試算
佐々木投手の将来性や球速・変化球の質を考慮すると、MLB関係者からは「歴代最高クラスの契約を勝ち取る可能性が高い」とも言われています。例えばもし総額2億ドル規模の契約になった場合、新ポスティング制度では以下のように譲渡金が計算されます。
- 最初の2500万ドル:20% → 500万ドル
- 2500万ドル~5000万ドル部分(2500万ドル分):17.5% → 437.5万ドル
- 5000万ドル超過部分(1億5000万ドル分):15% → 2250万ドル
合計リリースフィー:500万ドル + 437.5万ドル + 2250万ドル = 3190万ドル
仮に1ドル=150円で換算すると、約48億円がロッテに支払われる計算になります。
もう少し低い総額1億5000万ドルの契約でも、譲渡金はおよそ2437.5万ドル(約36~37億円)に達すると試算できます。
まとめ
- 25歳未満の場合は国際ボーナスプールの制限があり、マイナー契約かつ数百万ドル規模になる。
- 25歳以上(またはNPB6年経過後の海外FA権行使)で移籍した場合は、1億~2億ドル規模の大型契約も十分に考えられる。
- もし1億5000万ドル~2億ドルの契約になった場合、譲渡金は数十億円に上る。
つまり、もし佐々木投手が25歳を超えてポスティング移籍をしていた場合、契約総額とロッテへの譲渡金は現在報道されている金額の数倍~数十倍になっていた可能性が高いと言えます。
コメント