動画編集用PCが届いたら、すぐに素材を読み込んで編集を始めたくなります。ただ、保存先を決めないまま作業すると、「素材が見つからない」「どこに保存したか分からない」と、あとから整理に時間を取られがちです。
最初に整えたいのは、PCの更新、データの置き場所、保存と復元の仕組みです。そのうえで短い動画を1本書き出せば、自分の作業を始められる状態か確認できます。
今回はWindows 11とAdobe Premiereを例に、購入後の初期設定を7つのステップで紹介します。ゲーミングPCを編集にも使う方や、古いPCから乗り換えた方にも役立つ内容です。
公式情報は2026年11月に確認しています。フォルダー構成や確認の順番はGearCanvas編集部の提案です。画面の名称や利用できる設定は、OS・アプリのバージョンや契約によって異なります。
まずは全体像|初日に確認する7項目
| 順番 | やること | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 1 | Windowsの更新を確認する | 更新状態を確認し、必要な再起動を終える |
| 2 | 編集ソフトと必要な素材を準備する | アプリが起動し、普段の素材を読み込める |
| 3 | 案件ごとの保存先を決める | 素材・プロジェクト・書き出し先を説明できる |
| 4 | キャッシュの保存場所を確認する | 素材とは役割が違うと理解し、空きを確認する |
| 5 | 自動保存を確認する | 設定だけでなく保存されたファイルも見つける |
| 6 | 別の保存先へバックアップする | コピーしたファイルを開ける |
| 7 | 短い動画を試し編集する | 保存・再起動・再編集・書き出しを試せる |
すべてを最適化してから始める必要はありません。まずは「どこに何があり、やり直すにはどこへ戻ればよいか」が分かる状態を目指しましょう。
1.Windowsの更新状態を確認する
Windows 11では「スタート」から「設定」→「Windows Update」を開き、利用可能な更新と現在の状態を確認します。再起動が必要な場合は、編集中の作業を抱える前に済ませておくと進めやすくなります。操作の案内はMicrosoftのWindows Update公式ヘルプで確認できます。
PCメーカーの初回セットアップ案内も読み、機種に合う更新方法を確認しましょう。GPUなどのドライバーについても、メーカーや編集ソフトの案内をもとに判断します。
ここでの目標は、設定を大量に変更することではありません。正常に起動する状態を確かめ、変更した内容を簡単に記録しておくことです。トラブルが起きたときに「何を変えたあとか」が分かると、問い合わせもしやすくなります。
2.編集ソフトを入れ、普段の素材を読み込む
編集ソフトは公式の配布元からインストールし、ログインと起動まで確認します。仕事や共同制作で使うなら、相手と利用するバージョンを合わせる必要があるかも先に確認してください。
最初から多くの追加プラグインを入れるより、まずは標準の状態で、自分が撮影した動画と音声を読み込んでみましょう。起動できることと、普段の素材を問題なく扱えることは別の確認項目です。
以前のPCから移行する場合は、プロジェクトだけでなく、素材・使用フォント・追加機能なども確認します。特に過去の案件を開く予定があるなら、文字や映像が意図したとおりに表示されるか、元のPCと見比べておくと安心です。
ゲーム用に購入したPCを兼用する場合の構成確認は、ゲーミングPCで動画編集はできる?でも紹介しています。
3.素材・プロジェクト・書き出し先を決める
デスクトップやダウンロードフォルダーに素材を散らばらせず、案件ごとの入れ物を作りましょう。GearCanvasでは、まず次のように分ける方法を提案します。
| フォルダーの例 | 入れるもの |
|---|---|
| 01_素材 | 撮影動画、録音、写真、使用する音楽 |
| 02_プロジェクト | 編集内容を保存するプロジェクトファイル |
| 03_書き出し | 確認用と完成版の動画 |
| 04_資料 | 台本、指示書、素材の利用条件など |
これはフォルダーの分け方の例です。同じSSD内でフォルダーを分けても、ドライブが別になったり、故障に備えたバックアップになったりするわけではありません。
Adobeはシステム、メディア、キャッシュの役割を分けたドライブ構成を案内し、ドライブが2台の場合は素材とキャッシュを同じドライブに保存する構成も紹介しています。手元の構成に合わせて、どこへ置くかを決めてください。参考:Adobeのストレージに関する推奨事項。
読み込み後に素材の場所や名前を変えると、編集ソフトで再リンクが必要になることがあります。まず素材を置く場所を決め、それから読み込む順番がおすすめです。容量の考え方はSSDは1TB・2TBどちらを選ぶかをご覧ください。
4.メディアキャッシュの保存場所と空きを確認する
Premiereのメディアキャッシュは、音声の波形表示などの処理に使う補助データです。撮影した元動画や、編集内容を記録するプロジェクトとは役割が異なります。
初回はキャッシュの保存場所を確認し、そのドライブに作業用の空きがあるか見ておきましょう。Adobeは高速SSDなどの利用を案内し、必要に応じて素材と同じドライブに保存することも認めています。
削除されたキャッシュは必要になった際に再作成されます。購入直後から繰り返し消すことを目的にせず、まず何が保存される場所なのか把握してください。整理するときは、素材やプロジェクトのフォルダーと取り違えないようにします。参考:Adobeのメディアキャッシュ管理。
5.自動保存は「設定」と「実際の保存」を確認する
Premiereの自動保存設定では、保存間隔や残すプロジェクトのバージョン数を確認できます。Adobeの案内では、初期設定は5分間隔・直近20個のプロジェクトファイルですが、設定の引き継ぎやバージョンの違いもあるため、自分の画面で確認しましょう。
試し編集で変更を加え、実際に自動保存されたファイルが見つかるところまで試すと、設定したつもりの状態を避けられます。どのフォルダーに保存されているかもメモしておきましょう。設定項目はAdobeの自動保存ヘルプで確認できます。
プロジェクトの自動保存だけでは、撮影素材一式のバックアップにはなりません。編集内容を戻す備えと、素材を失わない備えを、それぞれ用意することが大切です。
6.バックアップ先を決め、1ファイル戻してみる
作業用データとは別の保存先へ、必要な素材とプロジェクトのコピーを残します。最初の案件から「いつコピーするか」を決めておくと、完成するまで一度もバックアップしない状態を避けられます。
Windowsの「ファイル履歴」は、対象ファイルのコピーを外付けドライブやネットワーク上へ保存する選択肢です。Microsoftはライブラリ内のファイルを対象として案内しています。任意の場所に作った案件フォルダーも自動で含まれるとは考えず、対象に入っているか確認してください。参考:Microsoftのファイル履歴によるバックアップと復元。
手動コピーでもバックアップソフトでも、初回はテスト用ファイルを別の場所へ戻し、開けることまで確認しましょう。復元の練習では、作業中のファイルを上書きしない保存先を使います。
自動保存は同じPC内に残ることもあるため、PC自体の故障などへの備えを別に考える必要があります。保存先の組み合わせは動画編集データのバックアップ方法で詳しくまとめています。
7.短い動画で、読み込みから書き出しまで試す
設定を一通り確認したら、普段使う素材で30秒〜1分程度の短い動画を作ってみましょう。この長さは編集部の提案であり、性能を保証するテスト基準ではありません。
- 保存場所を決めた動画と音声を読み込む。
- 数か所をカットし、テロップを入れる。
- 映像と音声を再生して確認する。
- プロジェクトを保存し、アプリを閉じて再び開く。
- 使う予定の形式で書き出し、完成ファイルを別のプレーヤーでも再生する。
このとき、音が出るか、文字が欠けていないか、保存した編集内容が戻るかを確認します。外付けSSDや外部モニターを使うなら、本番と同じ接続状態で試すと実際の運用を確かめやすくなります。
動きが重い場合は「素材の再生」「特定の効果」「書き出し」のどこで困るのかを分けて記録しましょう。再生負荷が気になる素材には、プロキシ編集を検討する方法もあります。
よくある質問
初日にSSDを増設する必要はありますか?
全員に必要な作業ではありません。まず手元の保存先と空き容量を確認し、試し編集で使い方を把握しましょう。追加が必要になったら、容量だけでなくPCの対応条件や外付け機器を含めて検討します。
自動保存を有効にしたら、手動保存は不要ですか?
作業の区切りでは手動でも保存する運用がおすすめです。自動保存の場所を把握したうえで、大きな修正の前には分かりやすい名前で別の版を残すと、戻りたい状態を選びやすくなります。
ベンチマークが高ければ、試し編集は省略できますか?
自分の素材、フォント、周辺機器、書き出し設定で確認する意味があります。性能の数字だけでは、素材の不足や音の出力先、保存場所まで確認できません。
編集を始める前の最終チェック
- Windowsの更新状態と編集ソフトの起動を確認した。
- 素材・プロジェクト・書き出し先が分かる。
- キャッシュの保存先と作業用の空きを確認した。
- 自動保存されたファイルの場所が分かる。
- 必要な素材とプロジェクトを別の保存先にも残した。
- 保存したプロジェクトを開き直し、短い動画を書き出せた。
初期設定で大切なのは、項目をすべて変更することではなく、自分の制作を一度最後まで通してみることです。保存と復元の流れを先に整えると、次の動画から編集そのものへ集中しやすくなります。
これからPCを選ぶ段階の方は、動画編集用PCの選び方やGearCanvasのPC診断も参考にしてください。


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